nekonoongaeshi’s diary

鉄印の旅と植物と保護猫と。田舎暮らしの日々を綴っています

愛媛のゆべし

連休に主人の大学時代の友人ご夫婦がお嬢さんを連れて遊びに来られました。福井の恐竜博物館見学のあとに足をのばしてくれたのです。今は四国のご実家で田舎暮らし?を楽しまれています。

 

日本百名山である西日本最高峰・石鎚山の鎖場を登ったのは何年前だったかしら。愛媛県に行くと必ず買っていたものがあります。ここだけの話、実は「一六タルト」。

(無知な私には愛媛県と聞けば、坊ちゃん、道後温泉今治タオル、一六タルトくらいしか思い浮かばない……そういえば秋田県知事がじゃこ天で失言したのは記憶に新しい)

 

地元愛媛県のお土産を段ボール箱いっぱいに詰めて3人は玄関に立っていました。里芋の鍋セット(うわぁ…コンニャクまで愛媛産!)、焼海苔、青のり粉、ハーブティー、それ以外にも家庭菜園で収穫したというサツマイモの紅はるか、檸檬、キーウイ、ゆず……里芋鍋は伊予の郷土料理なのだそうです。

まるで愛媛県親善大使?いや観光大使。奥様がひとつひとつご丁寧にフルーツや野菜、お茶の説明をしてくださり、玄関でゆうに30分は立ち話をしたような気がします。💦

いもたき 愛媛県 | うちの郷土料理:農林水産省

■柚子入りのゆべし

慶応三年創業「星加のゆべし」

米粉・餅粉・砂糖・白みそを混ぜ合わせ、柚子の皮を細かく刻んだものを練り込んだゆべしの生地を蒸し上げ、天然の竹皮に包んだ一口サイズの餅菓子。柚子の香りが口いっぱいに広がり、思わず目が開いてしまう……。

「東北のゆべしとは製造法が違うのですよ」と奥様がおっしゃっていました。主人も私も顔を見合わせ、そうなのか?と黙ってお話を聞くことに。

西日本のゆべしは、柚子を用いたお菓子が主流ですが、東北や北関東ではクルミを使った餅菓子で味付けは醤油、赤味噌、砂糖または黒砂糖で甘くしているそうなのです。

調べてみると全国各地に存在して製法や味付けは多様なようですね。奈良県の十津川ゆべしは、お菓子ではなく柚子の中身をくりぬいて中に味噌や山椒、胡麻を詰めて半年ほどねかせ乾燥させた珍味で、酒の肴やご飯のおかずとして食べる保存食になるそうです。これは奥が深い……目からウロコですね。

ゆべしは主に3種類に分類される。

  • 棒型・四角型
東北から北関東にかけて棒状の「くるみゆべし」や「胡麻ゆべし」を切ったものが食される。
  • 三角型
餡をゆべし生地で包んだ、三角の饅頭型ものが広く知られている。福島県で単に「ゆべし」と言うと、こちらを指す場合が多い。
  • 小判型
三角型同様に福島県内で見られる形状で波打った円形状のゆべしにクルミなどが乗せてある。
  • その他
例外として、福島県会津地方では20×5cmほどのかまぼこ型にさい箸などで二本の筋を整形し、山椒の皮の粉末の入った餅菓子である。
製法としてはきりせんしょと同じで、もち米粉に砂糖と山椒の実の皮の粉末を混ぜ、練ったものを蒸して作る。岩手方面のきりせんしょからの派生、名称の混交と思われる。        wikipediaより

備中ゆべし、また矢掛のゆべしは柚子羊羹を練り込んで蒸したもので作家の武者小路実篤が好んで食べたという記録があるそうですよ。長崎県壱岐では、柚子の皮だけを煮たものをゆべしと呼んで薬味として用いることも。いろいろ学ぶことが多かったです。これも奥様のおかげ。愛媛はじゃこ天と一六タルトだけじゃないのよ、と言いたげな、そんな思いが瞳から切々と伝わってきました。

イカーとはいえ、四国から持ってくるのは、さぞ大変だったことでしょう。たくさんの地元愛があふれるお土産をありがとうございました。どうぞお元気で、週末家庭菜園と田舎暮らしをエンジョイしてください。

お題「貰って嬉しいお土産ってある?」

 

 

私はひそかにこのお題をシリーズ化しようと決めておりまして。だって食べ物のお話ならハズレがないでしょ?